外国人介護職員の雇用 ちょっと苦い思い出
日本の労働力不足は深刻で
介護業界も本当にスタッフの募集がたいへんです。
私が有料老人ホームを開所してから3年目
ホームの運営も少し落ち着いてきた時に
フィリピン人の女性スタッフを
雇用した時のちょっと苦い思い出です。
1 介護現場のスッタッフ事情
最近は多くの業種で人出不足が問題になっていますが
介護業界もスタッフ事情はかなり厳しい状況です。
常に人手不足という印象があります。
先日の新聞でも施設はすでにあるけども
スタッフが集まらず、
入居者様を受けいれることができない施設が
全国的にも結構あるようですね。
わたしが15年前開業した時もすでに
人出不足でしたがその後年々状況は
厳しさを増していますよ。
国も処遇改善手当を出し
施設側もバリエーションを持たせ働き方
職場環境の改善、教育などなど
あげればきりがないほどいろいろな取り組みが
なされてはいるのですが。
特に夜勤があり
24時間365日人材を必要とする
老人ホームなどは厳しい気がします。
そんな中でもなんとか
現場が協力して日々みんなが
頑張っているわけですが、
なんとか人材確保の方法がないか
考えていたら、あるご縁で
開業して3年目ぐらいに
日本国籍でフィリピン女性の方を
雇用することになりました。
昨今の法律改正の動きを考えても
この判断は間違ってなかったとは思うのですが
もっといろいろ準備をしてからでも
よかったと今でも少し後悔しています。
2 フィリピン女性の職員雇用
そのフィリピン人の女性の方は
日本人の男性と結婚して国籍は日本国籍でしたので
雇用に関しては普通の日本人と同じで
問題もなかったのですが
ちょうどその時はご主人が亡くなって
就職先を探されていたようです。
日本語は簡単な言葉は話せますが
こみいった会話や筆記は難しいようでした。
日本で既に3年間生活されていたので
少し安心していたのかもしれません。
そして県外からお引越しなので
住居と家電、家具などは貸与で
こちらで用意するという条件でした。
そしていよいよ彼女が来て
研修期間を普通よりは長くとり
2週間目から現場での実地研修がスタート。
そして3週間目には
貸与していた全ての家具と家電、自転車などと一緒に
彼女はいなくなってました。
3 実際に1か月フィリピンに滞在してみた感想
彼女がいなくなってすぐは
いろいろびっくりはしたのですが
日々の忙しさもあり、
彼女の事は記憶から少し薄れていました。
そして
昨年長い夏休みを取ってフィリピンに語学留学にいってきました。
(中高年のフィリピン語学留学という記事いも書いてるから気が向いたら読んでみてね)
そこでは沢山のフィリピンの先生達と授業はもちろん
お話ししたりご飯を食べに行ったりして
当たり前だけど国民性ってあるなと思いますし
先生方の朝礼の風景を何回か見たんだけど
とにかくのりのりで朝から大爆笑
日本ではなかなかないような気がします (・。・;
それに全般的に街でもみんなフレンドリー
ノリがいいんでしょうね~。
でも案外、傷つきやすくメンタル弱かったりなんかもして
そんなこと考えてたら
フィリピン女性の介護職の彼女のことを思い出して
言語に関しても、
もう少しオール日本語ではなく
ある程度英語で作ったマニュアルや会話
そしてフレンドリーな接し方があったのかなーと
思ったりもしました。
4 どうすればよかったのか?
12年前あの時どうすればよかったのか?
その答えはまだ模索中ですが、
これからますます増えていくであろう
外国人介護スタッフ。
言葉の壁、食事の違い、文化の違い
その中で共に働き、
そして日本という国で生活をしていく。
当然、価値観の多様性はますます加速。
いろいろな問題が生じその都度
どうすれば良いのかと考え
より良き方向に少しでも向かって行けるという
希望はもっています。
突然部屋から何もかも煙のように消えてしまった彼女。
「あの時はごめんね」
最近は外国人介護スタッフが
勉強できるテキストや教室も少しづつではあるけど
できてきていますね。
超高齢化社会にいよいよ本格的に向かいつつある日本。
AIや医療は確かにびっくりするぐらいの
進歩をとげつつあるようで
科学者の予想では150歳まで平均寿命は伸び
「ぴんぴんころり」は当たり前になるという予想。
でも介護現場ではまだまだ
機械やAIができることは本当に少ない、
マンパワーが炸裂している現場。
大変なこともたくさんあるけど
やっぱり興味深いお仕事です!!