介護職員が受ける様々なハラスメント
先日愛知県のグループホームで
職員の首を絞め殺害しようとしたとして、
入所者の83歳の女性が
逮捕されるというニュースがありました。
介護スタッフへの様々なハラスメントは
介護される本人だけでなく
家族様から受けることもあります。
介護職員の利用者様への虐待は
ニュースによくなりますが
反対の場合は今までは、
ほとんど刑事事件になることもなく
沈黙されてきたのが現実ではないでしょうか?
1 介護職が受けるハラスメント
自宅での訪問介護であったり
施設の中の各個室であったり
介護サービスを提供する空間は
個室なることが多く、
現状女性スタッフが大半をしめています。
介護スタッフ、看護職、ケアマネなどに
「利用者や家族から何からのパワハラを
受けたことがあるか?」
というアンケートに関しては
ある 74.2%
ない 22.2%
無回答 3.5%
となっています。
また男性職員と女性職員では
女性の方が特にセクハラなどは
3倍以上多いという結果も報告されています。
しかしあまりこれらが表面化されない要因として
認知だから仕方がない
プロならその程度の事を受け流せるはず
大げさに騒いではいけないという
介護職側に、我慢するのが当然だという風潮もあり
なかなか表面化されないという現実もあるようです。
また家族様からもパワハラ的な発言も
実際に運営するホームでもあります。
2 様々なハラスメントがおきる背景
介護職へのパワハラが起こるその背景を少し考えてみると
やはり事業所側には利用者を失いたくない
また揉めたくないという心理に加え
介護スタッフはやはり比較的性格の優しい人が多いす。
また普段の教育においても
利用者には親身に接するようを教育されているため
毅然とした対応できないということが考えられます。
それに加え現在介護サービスを受けている高齢者の方は
戦前の教育を受けた人がまた多く
どうしても女性を見下す傾向にあり
現役だったころもセクハラの概念すらなく
そもそも悪いことと思っていないという問題もあるようです。
そして日本はサービスがきめ細やかで
「お客様は神様です」なんていうセリフまであり
またパワハラをする人は
お金を出しているのだからという
感覚が強いようにおもいます。
特に有料老人ホームなどは
その傾向が強いのですが
有料老人ホームであろうが
特別養護老人ホームであろうが
高齢者専用サービス付き住宅であろうが
ほぼ必ず介護保険がつかわれています。
利用者側の自己負担は1割で
後の9割は公的なお金です。
なのでサービスを提供する側も
サービスを受ける側にも
さまざまな決まりがあります。
その意識が少しでもパワハラする側にあれば
介護スッタフになげかける
パワハラ的発言や行動も変わってくるのではと
感じたりもしています。
3 管理職の対応
ではスタッフがパワハラを受けた時
管理者はどうすればいいのでしょうか?
利用者を減らしたくない、
揉めたくないといった気持ちが
全く分からないわけではありませんが
それでは介護を受ける側も、介護スタッフにも
両方に良い結果にはなりません。
やはりパワハラを受けた介護スタッフの話をしっかり受け止め
また再発防止に務めることです。
例えば私がかかわっているホームでは
そのご家族様との話し合いをし
ご家族様にも事実をしっかりお伝えします。
パワハラが繰り返されれば
介護スタッフが傷つくことは当然ですが
その入居者様にも適切なサービス提供が困難になります。
ほとんどの起こりうる問題は
話し合いで対策を練ってお互いに理解しあえると
解決できることがおおいです。
ですので 有料老人ホームでは
入居の前に入居希望者様の面談をさせて頂きますが
ご本人の状態よりも
正直に言ってキーパーソンとなられる
ご家族様のとの話し合いをとても重要視しています。
実際に良い運営がなされているホームほど
この傾向が強いように思います。
介護を提供していく上で様々なことは
日々ありますのでその時にきちんと話し合いができる
管理者なのかまたご家族様なのか
双方に入居にあったては
把握しておくことは大事ですね。
4 今後期待される取り組み
国や各自治体また各事業所でも
入居者様への虐待防止はもちろんのこと
それ以外にも精神面また介護技術の向上感染症予防、
認知症への理解
できるだけ自立へ向けた支援などなど
様々な勉強会取り組みが
介護職員にや管理者に行われています。
それ自体はとても有益で良い事だと思っているのですが
あとできれば介護を受ける側の勉強会など
ご本人もですが、
特にご家族様に向けた勉強会は講演会などが
必要ではないでしょうか?
日本はこれからまだまだ未曾有の高齢化社会お迎えます。
AI 技術、働き方改革、医療の格段の進歩など
いろんなことが根本から問われる時期に入ってきたと思うのです。
ですから家族の誰かが介護になって
介護が必要になって初めて介護を知るのではなく
あらかじめ自分もいつかは行く道と思って
最後まで元気に過ごすが大前提ですが
それでも
介護について考えたり知るチャンスが持つのは
どの世代にとってもとても有益だとおもいます。
2025年には3割の人口が65歳以上となります。
私はこの仕事を通して、また母の介護にかかわり
「どう死ぬかを考えることは
自分がどう生きるのかを考えることだと」
日々感じています。