主婦梅吉の日常

介護施設を起業、運営し時にはフリマや旅行を楽しむブログ

高齢者施設でおインフエンザが出るのは罪なのか?

今年も全国各地でインフルエンザが猛威を振るっていますね。

 

 

予防接種をしていても体力がなかったり

また体質的にかかりやすい人など様々です。

 

そして特に子供特に体力の弱い乳幼児や

高齢者では死亡につながったりもする事例もあります。

 

この時期いつも以上に

高齢者施設ではインフルエンザに対して

責任者も現場のスタッフもみんな

必死なりながら様々な対策をとっています。

 

 

 

 

f:id:ume20180912:20190120122655j:plain

 

高齢者施設では多くの高齢者が

共同で生活していますから、

感染症対策は普段からからかなりとっていますが

この時期は本当には特にナーバスになります。

 

それでもどんなに頑張っても

 

インフルエンザは出ることを

100%完全に防ぐことはできません

 

 

 

 

 

1 高齢者施設でのインフルエンザ対策

 

施設でのインフルエンザを含む様々な感染症対策が

365日24時間体制で

私がが関わる施設でもとられています。

 

 

 

f:id:ume20180912:20190120131038j:plain

 

今はまだ施設も玉石混合の時代で

確かに行き届いた施設と

そうでない施設があるかもしれませんが

それでも少なくとも私が関わっている施設では

職員、入居者様の予防接種はもちろん

マスク手洗い、そして館内を回る除菌噴霧器

また空気清浄機などなどあげたらきりがないほど

いろいろな対策がとられています。

 

しかしそもそも特に介護度が高い

高齢者をが入居する施設では

入居者様の体力が一般の方よりかなり弱っていて

抵抗力もあまりない状態ですから

インフルエンザが出ない年もありますが

 

長期で施設を運営していく中で

残念ながらインフルエンザの方を

全く出さないといのは難しいです。

 

もしそんな方法があるなら私もしりたいです。

 

感染経路として考えられるのは

スタッフが感染していなくても

持ち込んだとも考えられますが

他には面会に来られてたご家族様かもしれません。

そして施設のお年寄りの中には

定期的に通院してる方もいらっしゃるので

その病院で感染したかもしれず

考えたら本当にきりがないのです。

 

一人目がでたらあとはとにかく

感染が広がらないよう対処するしかありません。

 

いつもは食堂でみんなで食べるお食事も

居室配膳となります。

また自力で食事できる方ばかりではないので

本当に大変です。

それが1日3回ですからね。

 

規模の大きい施設ではそれも難しいので

なった方をとにかく隔離するといった方法に

なるかとはおもいますが、、。

 

それだけやっても施設では

10人以上のインフルエンザ患者さんが出てしまう時もあります。

 

そうなるとたいていの施設では

スタッフも管理者もお休み返上で

24時間体制で看病や病院への入院、通院に追われ

ひたすら終息するのを願い頑張るしかありません。

 

 

2 ある施設でインフルエンザが出たとき起こった話し

 

 

これはある施設で実際に

入居者様がインフルエンザ10人以上感染した時の出来事です。

 

このホームは40人規模の介護付き有料老人ホームで

地域のクリニックともしっかり連携して

ホームでの看取りにも取り組み

感染症対策やインフル対策もしっかりされている施設です。

 

しかしこの年は10人以上の方がインフルに感染したので

規則により保健所に届け出をだしました。

 

そしてその感染されてita方の中に

もともとかなり状態が良くない入居者様がいらっしゃり、

カプセルのお薬も飲める状態ではなく

そこで連携しているクリニックのドクター

またご家族様、ホームの管理者、現場リーダーが話し合い

ドクターの紹介書をもって

入院施設のある病院にご家族様が受診れました。

 

しかし病院側はタミフルを処方しただけで

入院させてはくれずホームに戻って来られ

さらにクリニックからもホームからも

再度、お薬が飲める状態ではなく

もう一度状況を説明し再受診しました。

しかし重症な方しか入院はできませんといことで

ホームで看てくださいと

何の処置もないまま再び戻って来られました。

 

そしてその夜インフルエンザでホームで

残念ながらお亡くなりになりました。

(でももともとが沢山の病気を

抱えている方だったので

インフルエンザだけが原因で

亡くなられたわけではないと

思うのですが)

 

f:id:ume20180912:20190120135859j:plain

 

その後、決まりでは

インフルエンザでの死亡と

県に届け出なければいけないのです。

 

そしてそれを県に届け出ると

マスコミなどにも開示されますので

そこからは本当に大変で

インフルエンザで死亡を出したホームとして

ニュースでとりあげられ、

NHKではホームの名前と施設長の実名まで出ました。

 

沢山の取材の電話や取材訪問の対応におわれ

取材する記者の中には今後も

「ホームの運営は続けますか?」

などといった質問まであったそうです。

またその時に病院に受診したことなども

伝えましたが

そういったことはニュースでは流れず

ただインフルエンザで死亡がでたホームとだけ

ニュースが流れます。

 

ニュースを流したマスコミもニュースを知った方も

ただ時事ネタのように別にホームを責める気持ちは

無かったかもしれません。

 

でもただでも大変な時に取材に追われ

実名で流されたホーム側、

またそこに入居されている入居者、そのご家族様

そしてスタッフはどんな気持ちだったのでしょうか?

 

この施設の施設長と話すことがあり

その時のお話を聞くと

まるで犯罪者になった気分で

食欲も睡眠もあまりできなくなり

かなり精神的にい追い詰められた気分だったそうです。

 

幸い亡くなった方のご家族様も

他の入居者様もそのご家族様も

理解と励ましとねぎらいの言葉をかけて下さり

普段のご家族様達との信頼関係が

できあがっていたので、

ホーム内ではそれ以上のことは

なかったそうですが、

 

今でもこのインフルエンザの季節になると

いろいろな感情がこみあげてくるそうです。

 

 

 

 

3 施設と病院どうすれば?

 

施設側には施設側の悩み

病院側には病院側のそれぞれの

悩みがあるとは思うのですが、

 

かなりの重症化で受診しても

「自宅ではなくホームなのだから

ホームで看てくださいと」

 

これは結構どのホームでも病院側から

言われたことのあるセリフだとは

おもうのです

特に在宅や高齢者施設に

あまり接する機会がなかったドクターによくいわれます。

 

施設はあくまで病院ではないので

できることが本当にかぎられているのです。

 

そして施設の特性によっては

基本的に体調や身体に何らかの問題を

抱えた体力、抵抗力などが

低下している方が居住されているのです。

 

超高齢化社会を迎えるにもかかわらず

また医療や福祉にかかわる人ですら

自分の担当範囲外は案外しらないという事実

(自分も含めてですが)

 

施設の連携医や在宅介護の連携医の

受診や入院をすすめる紹介書が

あるにも関わらず入院ができないのであれば

そもそも国がすすめる在宅介護さえも

そもそもが成り立たないのでは

ないでしょうか?

 

 

 

この現実がかわらないかぎり

スムーズな医療、看護、介護サービスは

提供されないとおもっています。

 

上記で紹介したような事例から

介護職を離職する人も多いです。

 

 

 

 

 

4 まとめ

 

f:id:ume20180912:20190120141351j:plain

 

 

いよいよ目の前に迫ってきている

超高齢化社会

それに対して使える予算も当然無尽蔵ではなく

大切な私達の税金です。

 

どうすれば医療と介護、福祉を

今後よりよく維持していけるのでしょうか?

このままでは少なくとも健康保険はかなり苦しいと

いわれていますし、

それは介護保険も同じです。

 

これを突破するにはまず

国民全体が関心をもち現状を知ること

そしてもっと様々な連携を横も縦もつなげて

効率化をはかり質をあげて

医療、介護を提供していく方法を

模索しつづけるしかないのではと思います。

 

言うのは簡単でも

現実は本当に難しいですが、、、

 

安心の社会を築くためには

自分には関係ないとおもう「無関心」

これが一番こわいです。

 

でも超高齢化社会も格差社会も

現実に私達が暮らしている

この日本で起こっている出来事です。

 

薄氷の上を歩いているような

今の日本の現状

 

どうか未来がどの世代にとっても

希望のもてる時代となりますように。