主婦梅吉の日常

介護施設を起業、運営し時にはフリマや旅行を楽しむブログ

介護職 良い施設の見極めポイント(入浴編)

 

介護士にとってもまた入居される方にとっても

「良いホーム」の定義はそれぞれで

本人にとってしっくりくるところが

「良いホーム」であったり「良い職場」なのだと思いますが

それでも質の高い介護を目指している

ホームに見分け方の一つに

入浴介護について質問してみると

ホームの考えや体制がわかることが多いと思います。

 

また面接を実施してくれている方が

現場に精通しているかどうかの見極めに

もつながるのでは

 

梅吉がおもうにはやはり

ホームの管理者や人事担当者は現場をよく知ってくれている

現場主義の方がスタッフはやはり働きやすいと感じています。

 

 

 

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大浴槽での入浴

 

高齢者施設での入浴回数はだいたいどこでも

平均週2回から3回行われていますが

入居されている方にとっては大きな楽しみである一方

浴室は事故や急変など危険がつきまとい

入浴介助は介護スタッフにとっても

身体的にも精神的にも大きな負担のかかる介助項目の一つです。

 

入浴する前には毎回必ずだいたい

看護師がいる施設ならば看護士が

またいないなら介護士が

その日の「熱」「血圧」「脈拍」などを測って

入浴が大丈夫かどうかまず確認が行われます。

そして体調的に大丈夫なようなら入浴となります。

 

施設のお風呂場というと

家庭よりは大きな湯船

広い脱衣場というイメージですし

だいたいの施設がそういった浴場を備えています。

 

そして以前は順番に入居者様をお迎えにいって

脱衣場担当のスタッフ、

お風呂場担当のスッタフと手分けして

流れ作業のような入浴介助が主流でした。

 

●近頃は脱衣室などでも

他の入居者様と一緒であることから

インフルエンザなどの感染症のリスクなども高くなること

 

●また大浴場でもし排泄されてしまった場合は

もう一度お湯を全て抜いて消毒して

お湯の入れ替えをする

 

●大浴場だと普通の浴槽より浮力があって

足腰の筋肉が衰えている高齢者の方には

溺水の危険度がつきまといます。

 

健康な時なら大きな浴槽で

のんびりといったイメージですが

高齢者の方にとってはいろいろな不都合があるのです。

 

なので最近は入浴スタイルも

一人ずつ入浴していただくというスタイルになっている

あるいは変えようと検討しているといった

ホームが増えてきています。

 

施設の設備上、なかなかすぐには

変えられなくても少なくとも入浴に関しては

どこのホームも大きな関心項目であることには

変わりがないとおもいます。

 

施設での入浴状況の話しになると

それぞれの施設の質の一端が

垣間見えるのではないでしょうか。

 

 

 

特殊機械浴槽

 

 

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車椅子や寝たきりなどの状態になると

大浴槽での入浴が難しくなるため

体を横にしたまま湯船に浸かる「機械浴槽」

シャワーキャリーに乗ったまま入れる「チェアインバス」と呼ばれる

特殊浴槽を使うのが今までは一般的でした。

 

これらの入浴機器は

高齢者を持ち上げたり抱えたりする必要がないため

介護スタッフの介助負担の軽減が可能です

 

ただ一方で認知症高齢者が怖がって暴れ

ベルトが外れて体が回転して溺死

またストレッチャーの補助バーが外れて転落

お湯の温度の確認を怠り火傷などっといった

事故も起きています。

 

技術やAIが発達して

それらの事故を防ぐ機能も増えてはきていますが

使う側の人間が操作や介助方法に問題があると

どんなものであっても事故につながってしまいます。

 

また入浴機器はだいたいどれも高額ですので

全ての施設が最新機器を導入できるわけでもないです。

それぞれの施設にそれぞれの事情がありますからね。

 

これらの入浴機器をどんな風に

施設が使用し安全対策をとっているかは

やはり各施設が積み上げてきた

介護ノウハウがよくわかる部分だとは思いますので

施設の介護レベルを推し量るには

大きなポイントにはなると思います。

 

 

 

最近の入浴スタイルの傾向

 

現在は流れ作業のような入浴介助ではなく

マンツーマンの個別介助が増えています

 

通常の入浴と同じような

個別浴槽、個別浴室、個別脱衣室での

入浴介助が主流となりつつあり

自宅で入浴するのと同じように

それぞれの高齢者のリズムで

ゆったりと入浴できるようにと

施設でもさまざまな工夫がされています。

 

マンツーマンの入浴介助を通して

スタッフと高齢者の方がゆっくり身体をさすりながら

コミュニケーションを取って介助することができるので

スタッフにとっても高齢者にとっても

望ましいスタイルだと感じます。

 

最近は個別浴槽でありながらも

右麻痺、左麻痺、下肢麻痺などそれぞれの要介護状態に合わせて

浴槽をスライドさせたり

シャワーキャリーリフトを併用することで

介護士と入居者様の負担や事故リスクを軽減する

新しい介護浴槽の開発も進んでいます。

 

 

 

ただ入浴設備は簡単に変更できるものではありませんし

介護度の状態によっては特殊浴槽でしかもちろん無理な場合もあります

 

 

大浴場か機械かの二択ではなく

個浴という選択肢がでてきたのは

ひとつの進化だとおもいます。

 

まとめ

 

●最近は施設でも大浴場ではなく

家での入浴に近い個別浴場

またマンツーマンでの入浴介助が増えてきています。

 

●入浴に関しての施設の考えや姿勢をしることは

その施設の介護レベルや理念を知る一つの大きなポイント

 

●身体の状態によっては機械浴でしか入浴が困難

だだしそれに対しての安全対策や心配りが

施設でなされているかどうかがポイント

 

 

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最後にこれを言うといろいろ誤解されるかもしれませんが

私はもっと技術がすすみ浴室のレベルがあがれば

湯船につかるという行為が

必要ではないという時代が来ないかなと思っています。

 

自分自身も温泉も湯船につかることもちろん大好きですし

日本の良い文化だとおっもています。

ですから入居者様が湯船につかり

リラックスするのもよくわかります。

 

でも福祉先進国と言われるスウェーデンでみた

介護施設は文化の違いから

湯船はなくシャワー浴のみでした。

もし日本の介護施設もシャワー浴のみなら

入浴介助の現場は随分違うだろうなと感じます。

 

介護スタッフの負担や入浴にかかる時間やリスクは

随分軽減するだろうと、

シャワー浴でありながら

湯船につかったような満足感のある

そんな夢のような浴室がいつか実現したらなんて

このめざましいAIと技術の進化に

ひそかに期待しています。