主婦梅吉の日常

介護施設を起業、運営し時にはフリマや旅行を楽しむブログ

有料老人ホームの「住宅型」と「介護付き」の違い

有料老人ホームは昔はすごく高額で

豪華なお部屋に素敵な食事と充実したレクリエーションなど

こんな感じのイメージだったのですが、

現在はいろいろなタイプのそれぞれ特徴のある施設が

できています。

 

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今回はその有料老人ホームへの「入居」

または介護士として「就職」

を考えているなら、

有料老人ホームの特徴を知る上で

「住宅型」と「介護付き」では

全く異なった制度によって介護提供がなされているので

知っておくのは良いと思います。

 

 

 

1「住宅型」と「介護付き」の違い

 

有料老人ホームには大きく分けて

「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」

の大きく2つに分かれています。

 

これは簡単に考えると

介護サービスの提供方法の違いです。

 

「住宅型」では訪問介護デイサービス

などを利用して介護提供がなされる。

 

「介護付き」では施設内のスタッフによって

1日の流れで必要な介護がすべて行われる

 

介護付きの介護サービス提供は

「特別養護老人ホーム」(特養)と同じ形式で

1回づつのサービスではなく

1日トータルの介護サービスの提供という考えです。

 

なので訪問介護なら夜間や早朝にサービスを入れると

日中の介護サービスより割高になりますが

1日で考えるのでサービス提供時間による

費用は関係なくあくまで1日いくらの計算です。

 

 

「介護付き有料老人ホーム」

県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けたのが

介護付有料老人ホームです。

「介護付」の場合、そのホームで働くスタッフから直接、

介護サービスが提供されます。

それぞれの身体状況などに合わせた

介護サービスの提供が可能になっています。

また24時間ではないものの、

看護師もしくは准看護師の配置が義務つけられています

(施設によっては24時間体制のところもあります)

 

 

「住宅型有料老人ホーム」

介護サービスは必要に応じて、

自宅と同じように入居者が個別に

外部サービス(訪問介護 デイサービス等々)

または施設に併設されたサービスを利用するかたちとなります。

そのため、入居したホームからデイサービスに通う人もいれば、

訪問介護を利用してヘルパーに来てもらう人もいます。

比較的に元気な高齢者が多いため、

「介護付」と比較するとイベントやレクリエーションが豊富です。

 

 

 

 

入居条件は

介護付有料老人ホームの場合、

一般的に65歳以上の高齢者が入居条件となっています。

介護付有料老人ホームは大きく

「自立型」「介護専用型」「混合型」の3種類に分けることができ、

種類によって入居条件も変化します。

しかし実際は「混合型」となっていても

介護付きの場合介護度の高い方が多く入居されている

可能性が高いので

まだ介護が必要のない方が入居された場合は

施設に馴染めないという問題がおきる可能性もります。

 

 

住宅型有料老人ホームの場合、

60歳以上の高齢者であることが

入居条件となっていますが、

施設によっては60歳未満でも受け入れています。

介護付有料老人ホームよりも

施設ごとの特色が強くなっており、

自立が入居条件になっている施設から

医療依存度・要介護度が高い高齢者まで受け入れる施設まで様々です。

それゆえ、入居時は元気だったけど、

徐々に要介護度が高くなった場合は注意が必要です。

施設によっては、要介護度が高くなったことで

退去して違う施設に入居するといったことも

あるので、

施設選びは入居した時の状態と

介護度が万が一重くなった時の

対処方法を考えて選ぶことが重要ですね。

 

 

 

2 住宅型有料老人ホームのメリットとデメリット

 

住宅型有料老人ホームは、

自宅と同じように「訪問介護」を受けたり

デイサービスなどに通ったりするので、

自分の好きな介護サービスを選択でき

施設に入る前に利用していたサービスを継続することができます。

 

住宅型サービスは高級志向のホームから一般向けまで

種類が豊富で、多様な老後の生活を選ぶことができます。

しかし、24時間体制の介護サービスは義務付けられてはいないため、

訪問介護では対応していない時間帯で

急な介護サービスが必要になったときなどは、

別途施設で定めた実費費用が掛かるケースもあります。

 

入居中に要介護度が重くなり、

外部サービスの利用頻度が高くなれば、

その分月々の負担額も大きくなります。

介護保険の範囲で収まる時は

1割から多くても3割負担ですからまだいいのですが

これが夜中などの利用が増え上限を超えた場合は

全額自己負担となるので要注意です。

 

 

メリット

① 外部のサービスが自由に利用できるので

  デイサービスや訪問リハビリなど

  介護保険の範囲で自由に必要なサービスを

  組み合わせることができます

 

② ①の利点と重なる部分もありますが、

  自分で1日の流れや生活スタイルを決められるので

  例えばどうしてもあわないケアマネさん

  訪問介護職員さん変更してもらうことも可能です。

 

デメリット

① 自由な反面、

 臨機応変なサービスの変更が難しいです。

 サービスの内容や提供時間帯は

 1ヶ月ごとに事前のケアプランで決まっています

 例えば今日はデイサービスの日だけど

 気分が悪いので中止したいと思っても

 その「デイサービス」で提供されるはずだった

 昼食はどうするのか

 排泄や入浴はどうするのかという問題が出てきます。

 サービス内容を変更するには

 ケアプランの変更や代替サービスの手配が必要です

 訪問介護や通所介護などは別々の事業所ですから

 その調整ができなければ

 排泄介助や食事介助を受けられないということになるのです。

 緊急時時の対応も施設によってかなり違いがあるので

 すぐに来てくれるご家族がいるかどうか、

 また施設の緊急時対応の有無と

 料金の確認なども必要となってきます。

 

介護保険の対象にならないサービスが多いということです

例えば「新聞を取って欲しい」

「行政手続きのサポートをしてほしい」などといった

生活相談を受けるためには

全額自己負担による別途契約が必要な場合がありま

隙間の時間のケア、臨時のケア、緊急対応、

といった介護サービスについても

基本的には介護保険の適用対象外ですので

そういった部分にも住宅型の場合は

お金がかかる場合もあります

「急遽お腹の調子が悪くてトイレまで介助してほしい」

と言った時にもスタッフコール「一回〇〇円」

と設定しているところもあるほどです。

なので自分の状態によって毎月の介護費用が

一定ではないといのもデメリットです。

 

しかし「住宅型有料老人ホーム」であっても

生活介護サービス料金として

ホームの月額料金に加算され

緊急時や隙間の時間に介護などの

体制が整っていることも多いので

何が有料で何がサービスに含まれているのか

住宅型有料老人ホームの場合は

しっかり理解して入居することが

大切ですね。

 

3 介護付き有料老人ホームのメリットとデメリット

介護付きつまり

特定施設入居者生活介護による

サービス提供になるのですが

 

メリット

① 一番の特徴は24時間365日以降体制で

介護スタッフが常駐しているということです。

また看護師もある一定時間以上は常駐していますので

これにより連続的継続的な切れ目のない

介護サービスの提供が可能となります。

そして介護看護生活相談、ケアプラン作成などが

一体的に提供されるため

職種間の連携が取りやすく

体調が悪くお風呂は明日に変更など

サービス時間の変更も臨機応変に

柔軟な対応が可能です

 

② ベッドから車椅子に降りたいと言った「隙間時間のケア」

今日はお腹の調子が悪いので何度もトイレに行きたいなどの

「臨時のケア」

体調不良のため施設が連携してる

病院連れて行って欲しいといった「緊急対応」

なども介護保険制度の対象となっています

要介護状態が重くなれば事前に予定することが難しい

ケアが増えてきますからこれも大きなメリットです。

 

③ 介護報酬が包括的に算定されるため

介護費用は基本的に毎月変わらないということです。

特定施設入居者生活介護は要介護度別に

1日当たりの介護報酬が設定されており

利用した日数で報酬が算定されます

そのため「臨時のケア」「緊急対応」などで

たくさん介護してもらっても

基本的に一か月の介護保険負担は同じです。

 

デメリット

① 外部の介護サービスが使えないということです

特定施設入居者生活介護は

施設の介護、看護スタッフから

サービスが提供されますので

デイサービスや訪問リハビリテーションなどの

外部のサービスは利用できません。

 

② 同じ介護看護スタッフに介助してもらえるため

安心という反面利用者が顔合わせ相手も毎日同じで

生活がマンネリ化しやすいということです

もちろんスタッフさんが嫌だから

変えてくださいということもできません

 

③ 事業所側の介護体制によって起床から食事入浴などの

生活スケジュールがある程度決まってしまうということです

毎日の介護、看護スタッフ数が決まっているため

夏場は毎日お風呂に入りたいと言った希望や

日々の買い物の付き添い

個別の美容院の付き添いなどの

個々への対応は難しくなります。

個別の介護サービスについては別料金で

「1時間〇〇〇円」などと

金額を設定しているところが多いです

 

 

4 料金の違いから考える

一見すると住宅型の方が料金がリーズナブルで

いろいろな行事も多くお得な感じががする場合もありますが、

介護がある程度、入居の時点であるならば

介護付き有料老人ホームを選択した方が

料金的にも安心して介護が受けられるとおもいます。

 

 

なので今後、介護度が重くなったら

違う施設に移るのか、

このまま同じ施設で生活を続けたいのかなど

ケースバイケースだと思いますので

料金だけで考えることはできませんが、

ある程度先を考えた施設を選ぶことは

重要だとおもいます。

 

介護保険の自己負担額が著しく重くなってしまった場合、

「高額介護サービス費制度」や、

「高額介護合算療養費制度」を利用して負担を軽減することができます。

 

「高額介護サービス費制度」は、

介護保険の自己負担額の合計が決められた上限金額を超えた場合、

申請をすると超えた分のお金が戻ってくる制度です。

上限金額はすべての人にとって一律ではなく

所得などの条件により決められます。

 

 

「高額介護合算療養費制度」は、

1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額を合計した時に、

それが基準額を超えていた場合に、

超えた分が払い戻される制度です。

有料老人ホームに入居している方でも、

介護保険適用の介護サービスを利用したり

医療機関にかかったりした金額の合計が基準額を超えていれば、

申請するとお金が戻ってきます。

ただこちらの基準額も、

要介護者の年齢や収入により設定されています。

 

 

5 どっちがお得?

 

 

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住宅型と介護付きどっちがお得?

介護だけを考えたら私は介護付きの施設を

選択した方が断然安心でお得だとおもいます。

 

しかし住宅型有料老人ホームは

お値段もサービスも運営母体によって

本当に差が激しいのです。

 

だから実際に面談や見学に行って

その施設の話を聞くしか判断できないことも多いので

自分にどんな施設が必要か

また就職を考えているならその施設の

状態をしっかり確認して納得して入居または

就職してもらいたいとおもいます。

 

実際、新しくできた住宅型有料老人ホームは

条件は満たしていても

県からの特定施設の許可がおりず

ホームに隣接する形で訪問介護事業所を設置して

質の高い介護を提供してくれるところもあります。

 

そしてある一定の年数が経過したのち

特定施設の許可がおりることも

案外多いので、そのあたりのことも

面接や見学の時に質問してみるのも

いいかもしれんませんね。

 

6 まとめ

 

今回は有料老人ホームの「住宅型」と「介護付き」の

比較でしたが、

サービス付き高齢者住宅でも

特定施設介護を一定の条件を満たせば認可されることがあります。

 

なので「サービス付き高齢者住宅」への入居を

考える時「介護付きサービス付き高齢者住宅」が

ないか確認してみて下さい。

少しでも選択肢が増えて自分のニーズにあう

施設を見つけられる方がいいですよね。

 

ただ今現在まだ「介護付きサービス付き高齢者住宅」は

かなり少ないといのが現状です。

 

どんな施設への入居がよいのか

どんな施設で働きたいのか

しっかり制度や特徴を理解してから

見学や面談に行くと効率的に質問や判断ができて

満足のいく結果となると思います。